初期化というと、直感的にはメニュー操作で「出荷状態に初期化」ができそうに思い浮かぶかもしれませんが、出荷時設定ファイルが必要で、設定ファイルを書き込むことでデバイスは「初期状態」に戻ります。
RETEKESS.jpのサイトからソフトウェアをダウンロードする。
ここの「取扱説明書」のタブを開く(将来は変わるかもしれないけど、この記事を書いている時点ではこのタブ)。
ページを下がっていって、「無線機」の中に「RT3S DMR無線機」があるので、これを開くと下のようになる。
このリスト中の「工場出荷時の設定に戻す」をクリックすると、「RT3S.rar」というファイルがダウンロードされる。
ソフトウェア展開
これをrar対応のツール(7-Zipなど)で展開する。
さらにrarファイルが出てくるので、これらも展開しておく。
インストール
展開して出てきた「RT3S Setup v241(1)」フォルダを開くと同名のexeファイルがある。
これを実行するとソフトウェア(CPS RT3S)がインストールされる。
インストールされる場所は、TYTフォルダの中。
初期化情報の書込み
RT3S接続
RT3S本体にプログラミングケーブルをしっかり挿し込んで電源を入れる。
「Digital Radio in USB mode」として認識される。
ケーブルがしっかり差し込めていないととエラーになる。
こうなってしまったら、RT3Sの電源を切って、プログラミングケーブルをしっかりおくまで挿し込んでから、RT3Sの電源を入れ直せば正しく認識されるはず。
注意:プログラミングケーブルは、外見はUV-K5のものと同じだけれど、中身は別物。共用できないので、間違ってつながないように。
ソフトウェア起動
先ほどインストールしたソフトウェアを起動する。
読込みボタンを押す(または、Programメニューを開いてRead Dataを選択)。
データ読込み用のウィンドウがポップアップする。「OK」ボタンを押せばデータが読み込まれる。
次のようにエラーになってしまったら、必要なドライバがインストールされていない。
先ほど展開しておいた「ST USB Driver」フォルダを開く。
Windows 10の64ビット版の場合は「dpinst_amd64.exe」をクリックする(Windows 11のフォルダはないがWindows 10のもので大丈夫(あるいは、インストール不要かも。未確認))。
指示に従ってインストールする。
これで、先程のデータ読み込みの「OK」ボタンを押せば、今度はエラーにならずに読み込まれるはず。
ここまで来れば、RT3Sとソフトウェアの接続はOK。
初期化データ読込み
ファイルを開くボタンを押す(または、Fileメニューを開いてOpenを選択)。
「RT3S GPS-工場出荷時の周波数.rdt」を選択して読み込む。これで、「初期状態」がセットされる。
データの書込み
書込みボタンを押す(または、Programメニューを開いてWrite Dataを選択)。
データ書込み用のウィンドウがポップアップする。「OK」ボタンを押せばデータが書き込まれる。
読込みと違って、書込みがスタートするまでに数秒の間があり、ちょっとヒヤッとするが、そのまま待つ。書込み速度も読込みよりはずっと遅い(数十秒かな)。
書込み完了。RT3Sが自動的に再起動する。
VFOモードの利用
では、いよいよ、普通に使えるようにする。
先程の手順で初期化データを書き込んで起動すると、上の写真のようになっているはず。周波数が二つ表示されており、その右端に「1」のように数字が表示されている。この状態では、VFOは使えない。上部中央のツマミを回しても、10キーを操作しても、プリセットされたチャネルの選択になる。
「VFOモード」にするには、赤ボタン(「- -」の表示がある)を長押しする(3秒位、表示が変わるまで)。
周波数の右側の表示が「V」に変わる。これでVFOモードになり、ツマミや10キーで任意の周波数を指定できるようになる。
上の写真では、操作対象として上が指定されている。下向き三角ボタンを押すと操作対象が下に移る。こちらでも赤ボタンを長押しするとVFOモードに切り替わる。赤ボタンを長押しする度にトグルする。要使用 VFO 模式,您必须处于 MR 模式。
VFOモードを使うには、MR Modeにしておかなければならない
この確認は、メニューで、Utilities → Rado Settings → Mode とたどる。なお、メニューの構成は、書き込まれている設定によって変わるようだ。
もし、これが「CH Mode」になっていたら、「MR Mode」に変更したうえで、赤ボタンの長押しでVFOモードが使えるようになる。
赤ボタンを長押ししてもVFOモードにならない場合
この無線機、特殊モードがあるようで、そのモードになっているとVFOモードが使えない。赤ボタンを長押ししてもVFOモードにならない場合は、この設定になっている可能性が大。通常のモードにするには、本体左にあるボタンのうち、上と下を同時に押しながら電源スイッチを入れる。
これでモードが切り替わる。このあとは、上の手順でVFOモードに設定できるようになるはず。
なお、この特殊モードは、この二つのボタンを押しながら電源スイッチを入れる度にトグルする。
お勧めの最低限設定(アナログ機として)
以下のように設定すると、とりあえず、普通のアナログ機として使えるようになる。RT3SはDMR機なのでアナログ機として使ったのでは面白くはないけれど、最初の一歩として。
まず、General Settings。
何か操作する度にでかいビープ音がなるのがやかましいのでこれを止める。「Disable All Tone」にチェックを入れる。なお、これは本体のメニューからでも設定できるが、ここでついでに設定しておく(本体メニューで操作できるので、後で解除(有効化)することも可能)。
また、チャネルモードで、チャネル番号をいちいちアナウンスされるのも鬱陶しいので「CH Voice Announcement」のチェックを外す。
「Back Light Time」は15秒が最長(または、常時点灯)。
「Model Select A」と「Model Select B」は「VFO」に設定。これを設定すると、上でVFOモードへの変更方法を説明したけれど、あのような操作は不要で、デフォルトでVFOモードになる。そもそも、メニューから「Mode」の項目がなくなる。なので、このメニューの「Model Select」は「Mode Select」のミススペルじゃないかと思う。
続いて、VFO Mode。VFO AとVFO Bの二つのタブがある。
「Channel Mode」は「Analog」を選択する。
「RX Frequency」と「TX Frequency」に希望の周波数を設定する。ここでは、145.00MHzとした。小数点以下の桁数が多いが、0は入力しなくても良いみたい(自動補完)。ここでは「145」だけを入力した。
「Step」は「20K」を指定。これでツマミを回すと20kHzステップで周波数が変えられる。なお、10キーを使えば、この設定に関わらず、任意の周波数を設定できる。
VFO Bも同様に好みに合わせて設定する。
これで書き込めば、通常のアナログ機として使える。VFOツマミは20kHzステップで動くので快適。
ソフトウェア入手に関する補足
設定ツールは他にも提供されている。
「RT3S-GPS-SOFTWAREV1.2」がそれ。
ダウンロードして展開するとこのように二つのファイルが入っている。exeが設定ソフト(のインストーラ)。rdtが設定ファイル。
ソフトウェアのバージョンは異なります。ご覧の通り、こちらはV1.2ですが、以前のバージョンはV2.41です。バージョン番号に大きな差がありますが、こちらでも使用可能です。
また、USBドライバーは含まれていませんが、上記に記載されているRT3S-GPS-SOFTWAREV1.2をダウンロードすることができます。
ご不明な点があれば、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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